はじめに
この記事は、これから 資産形成 を本格的に始めたいと考えている20代から40代の方、または家族を持ち将来設計を見直したいと考えている方に向けた内容です。この記事を読むことで、自分自身の資産状況が世間的にどの位置にあるのかが分かり、さらにライフステージごとの毎月の出費金額を把握できるため、現実的な目標設定と無理のない資産形成計画を立てることができます。結果として、漠然とした将来の不安を具体的な行動プランに変え、着実に資産を築く力を得ることができます。
第1章 【診断】自分の資産偏差値はどれくらい?
単身世帯の資産額
年代 | 平均 | 中央値 | 偏差値60以上 | 偏差値40以下 |
---|---|---|---|---|
20代 | 115万円 | 25万円 | 300万円以上 | 5万円未満 |
30代 | 350万円 | 100万円 | 1,000万円以上 | 20万円未満 |
40代 | 700万円 | 200万円 | 2,000万円以上 | 50万円未満 |
2人以上世帯の資産額
年代 | 平均 | 中央値 | 偏差値60以上 | 偏差値40以下 |
30代 | 650万円 | 300万円 | 1,500万円以上 | 50万円未満 |
40代 | 1,300万円 | 600万円 | 3,000万円以上 | 100万円未満 |
今の自分はどの資産ゾーン?
貯金が25万円未満で、緊急資金が不足している
貯金が100万円を超え、最低限の生活防衛資金を確保できている
貯金が600万円を超え、中長期的な資産形成に本格着手できる段階
貯金が1,000万円以上あり、投資や資産運用に積極的に取り組める状態
資産額により、自分のポジションを把握しましょう。
第2章 【逆算】年代別資産目標モデルと毎月貯金金額の相場
年代別資産目標モデル
30歳、貯金目標200万円
40歳、貯金目標400万円
50歳、貯金目標700万円
【上記の目標金額の理由】
① 社会的な平均・中央値とリンクさせている
30代の単身世帯・2人以上世帯の中央値は「100万〜300万円」。
40代では中央値「200万〜600万円」。
これに合わせ、無理なく、かつ中央値以上を目指せるラインとして設定しています。
② 生活防衛資金の確保が最低限できる額
例えば月25万円の生活費なら、生活防衛資金=6ヶ月分で150万円程度必要。
30歳で200万円あれば、「半年〜1年分の生活費+緊急予備費」が確保できる。
③ 40代以降のライフイベントに備えるため
住宅購入、教育費、老後資金準備が本格化する40代には、最低400万円以上の自己資金があると安心。
50代では子供の大学費用+老後の資産形成を両立するため、700万円以上を現実的なラインに設定。
毎月の必要貯金額
30歳で貯金目標200万円の場合:
23歳から8年間で達成するなら、毎月約2万1,000円の貯金が必要
40歳で貯金目標400万円の場合:
30歳からの10年間で達成するなら、毎月約3万4,000円の貯金が必要
50歳で貯金目標700万円の場合:
40歳からの10年間で達成するなら、毎月約5万9,000円の貯金が必要
このように、年齢が上がるごとに目標資産額も大きくなるため、若いうちからコツコツ積み立てることが、後々の負担を軽減するために重要となります。
第3章 【実態把握】25歳から55歳までの毎月の出費金額
ライフステージ別毎月出費
年齢帯 | 情報 | 平均的な生活費 |
25歳 | 独身 | 17万円 |
30歳 | 同棲・共働き | 23万円 |
35歳 | 夫婦+子一人 | 29万円 |
40歳 | 夫婦+子二人 | 34万円 |
50歳 | 夫婦+大学生2人 | 49万円 |
各ライフステージでの生活費の増加の内訳
生活費が増加する主な要因と費用の増加幅は次の通りです。ライフステージごとに、何が原因でどの程度増加するかを詳しく見ていきましょう。
25歳(独身)から30歳(同棲・共働き)
住宅費(+2〜3万円):1K〜1LDKから2LDKへ広い住居に引っ越すケースが多く、家賃が上昇します。
食費(+1万円):2人分の食事が必要になるため自炊・外食費ともに増加します。
光熱費・通信費(+0.5万円):電気・ガス・水道の使用量が2倍に近くなり、インターネット回線契約も増える傾向。
30歳から35歳(子ども1人誕生)
教育・保育費(+2〜3万円):保育園・幼稚園の費用がかかり始めます。
生活用品・医療費(+0.5万円):オムツやミルク代、医療費(小児科通い)が増加します。
35歳から40歳(子ども2人)
住宅費(+1〜2万円):子ども部屋確保のため広い住宅へ引っ越し、またはリフォームローン負担増。
教育費(+2〜3万円):小学校進学による学用品・給食費・学習塾費用が発生。
食費(+1万円):4人分の食事代が安定して増加します。
40歳から50歳(高校・大学進学期)
教育費(+10万円以上):高校授業料・部活動費、さらに大学進学時には学費・仕送りが家計に大きくのしかかります。
交通費(+0.5〜1万円):通学用定期券代やスクールバス費用がかかる場合があります。
50歳から55歳(子ども独立期)
教育費(減少):子どもの独立に伴い、仕送り負担が軽減。
生活費(-3〜5万円):生活人数が減ることで食費や光熱費も自然に減少します。
第4章 【節約の重要性】生活費を上手に削減できる人の資産形成モデル
節約は一時的な我慢ではなく、日常に根付かせるべき習慣です。特に独身時代から固定費を見直し、支出を最適化する意識を持つことで、長期的な家計改善と資産形成に大きなインパクトをもたらすことができます。
節約体質を作るためのポイント
日常の支出を振り返り、無駄な支出を見直す
家賃や固定費を定期的に見直し、負担を最適化する
生活費シミュレーション(生活費削減版)
実際にどれほどのインパクトになるのか具体的な数値でご紹介します。
年齢帯 | 状態 | 毎月生活費(通常) | 毎月生活費(節約後) | 削減率 | 主な節約ポイント |
25歳 | 独身 | 17万円 | 約12.8万円 | 25% | 家賃・食費・通信費削減 |
30歳 | 同棲・共働き | 23万円 | 約18万円 | 22% | 住宅費・通信費・交際費削減 |
35歳 | 夫婦+子一人 | 29万円 | 約24万円 | 17% | 食費・通信費・日用品削減 |
40歳 | 夫婦+子二人 | 34万円 | 約29万円 | 15% | 光熱費・通信費・食費削減 |
50歳 | 夫婦+大学生2人 | 49万円 | 約44万円 | 10% | 日常費節約、教育費以外を圧縮 |
【年代別の生活費内訳例】
25歳(独身:17万 → 12.8万)
項目 | 通常支出 | 節約後支出 |
家賃 | 7万 | 5.5万 |
食費 | 4万 | 3万 |
光熱費・通信費 | 2万 | 1.5万 |
交際費・雑費 | 4万 | 2.8万 |
30歳(同棲・共働き:23万 → 18万)
項目 | 通常支出 | 節約後支出 |
家賃 | 10万 | 8万 |
食費 | 5万 | 4万 |
光熱費・通信費 | 2万 | 1.5万 |
交際費・雑費 | 6万 | 4.5万 |
35歳(夫婦+子一人:29万 → 24万)
項目 | 通常支出 | 節約後支出 |
住宅ローン | 13万 | 13万 |
食費 | 6万 | 5万 |
光熱費・通信費 | 2.5万 | 2万 |
教育・保育費 | 3万 | 3万 |
雑費・交際費 | 4.5万 | 3万 |
40歳(夫婦+子二人:34万 → 29万)
項目 | 通常支出 | 節約後支出 |
住宅ローン | 14万 | 14万 |
食費 | 8万 | 7万 |
光熱費・通信費 | 2.5万 | 2万 |
教育費 | 6万 | 6万 |
雑費・交際費 | 3.5万 | 2万 |
50歳(夫婦+大学生:49万 → 44万)
項目 | 通常支出 | 節約後支出 |
住宅ローン | 12万 | 12万 |
食費 | 8万 | 7万 |
光熱費・通信費 | 2.5万 | 2万 |
教育費 | 20万 | 20万 |
雑費・交際費 | 6.5万 | 3万 |
【ポイントまとめ】
40代以降は10〜20%節約が現実的ライン。
削減可能なのは食費・光熱費・通信費・交際費中心。
住宅ローン・教育費は基本削減不可なので、それ以外で工夫が必須。
長期で見る支出削減額
生活費を上記の節約率で見直した場合、30歳から55歳までの25年間で、累計で約1,320万円以上の支出圧縮が可能となります。これは、大学の学費2人分をほぼカバーできる金額に相当し、さらに老後資金3,000万円のうち約4割をまかなうことができます。
この差額をそのまま貯蓄や投資に回した場合、将来の不安を大きく軽減し、より自由で安心できるライフスタイルを手に入れる可能性が高まります。今日の小さな節約習慣が、10年後、20年後の自分を力強く支える武器になります。いまこそ、未来の自分のために節約への第一歩を踏み出しましょう。
↓具体的な節約・支出管理については以下の記事を参考にしてください!↓
【年代別】 節約 初心者から上級者まで生活費を大幅に抑える実践ガイド
20代、30代が抱える お金の不安 を今すぐ解消するための完全ガイド お金の不安に負けずに未来を豊かにする方法
【 貯蓄テクニック 】心理学で自然にお金が貯まる習慣をつくる方法|貯金が続かない人のための行動経済学ガイド
第5章 まとめ 今日から始めるライフプラン計画
資産の位置を知る
ライフステージ別の出費を把握
現実的な目標を立て、逆算して行動へ
【オススメの最初の一歩】
家計簿アプリで毎月の出費を見える化
貯金用口引き落計画を立てる
現実に基づいた数値を知り、幸せな未来に向けて動き出しましょう!
おわりに
この記事が、皆さんのお金の管理に役立つヒントとなれば嬉しいです。ぜひ、自分に合った方法で、賢いマネープランを実践してください。今後も、ライフハック情報をお届けしていきますので、チェックをお忘れなく!
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出典:
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年」
統計局ホームページ/家計調査年報(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)NRI(野村総合研究所)「新たな富裕層タイプと金融機関のアプローチ方法」
新たな富裕層タイプと金融機関のアプローチ方法